【VOISING】特別な今日を君と〜VOISING学園祭〜【いれいす】【すたぽら】【シクフォニ】

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来てくれてありがとう！ - 2024年5月10日

「YOUちゃん、良かったら一緒に帰らへん？」

好きな人であるみこと君に声をかけられて、思わず声が詰まってしまう。

「み、みこと君…！私で良ければ…。」

「良かった。じゃあ行こっか。」

ああ、上手く返事できなかった…。と後悔しながらみこと君の後ろを歩く。折角誘ってくれたのに、何を話したらいいのかわからない…。

「YOUちゃん、今日の学園祭楽しかった？」

そんな雰囲気に気を遣ってくれたのかみこと君がそう聞いてくれた。

「うん、楽しかったよ。…みこと君は？」

「おれも楽しかったぁ！でもちょっと出し物難しすぎたかなって反省してる…。」

「確かに…ちょっと難しかったかな…。」

英語が苦手な身としては英語以外禁止は中々…。

「おれの持ち味を活かせる良い出し物やと思ったんやけどなぁ…。YOUちゃんも英語苦手なんよな？」

「得意ではないね…。」

苦笑いを浮かべると、うーん、と悩むみこと君。

「…じゃあさ、I LOVE YOUの意味って知ってる？」

「え？えっと…貴方が好きです…？」

「うん、おれもYOUちゃんが好き。」

「…へ？」

ニッコリと微笑むみこと君を見て、ハメられた、と気付いた。

「…みこと君さ、私がみこと君のこと好きじゃなかったらどうするの？それに、そういうことしてたらいつか刺されるよ？」

「それはないと思う。だっておれ、YOUちゃんにしかやらんで？」

…それって…。

「…女の子に言わせるのは、王子様のすることじゃなくない？」

私の言葉にみこと君はハッとする。

「ああホンマや！？…YOUちゃん。」

みこと君はその場にひざまずくと、私の手をとって微笑む。

「僕だけのお姫様になってくれませんか？」

…そんなの、返事は決まってるのに。

「…はい！」



「…みこと君、素で王子様なんだね。」

「えっ、おれキャラだと思われてたん…？」

「そういうわけじゃないけど…。」

王子様って実在するんだなぁ…。

「YOUちゃん。」

急にぐい、と肩を引き寄せられた。

「自転車、来てたから危ないと思って…。」

「あ、ありがとう…。」

突然のことにドキドキしていると、みこと君が微笑む。そのまま、みこと君の顔が近づいて―――。気付いたら、唇が重なっていた。

「…ごめん、YOUちゃんが可愛すぎて、我慢できんかった…。あ、家此処やったよね？また明日！」

捲し立てるように話して、帰路につくみこと君。対して私は、照れた頭では何も考えられず、暫くその場から動けなかった。

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