闇の帝王HS氏 ページ4
HS「あのさ、、何でも、良いから早くしてくんないかな〜うちの選挙区、ヤバいんだわ〜。早く、帰って対策練らないと、、はぁ〜一人ぐらい死んでくれないかな〜」
その言葉の主の声に、場が凍り付く。
世間では笑顔の貴公子と言われているが、最近、活気づいている新政党の美女に押され、イラついているようだ。
仲間内では闇の帝王と呼ばれ、その人の好さそうな表の顔はどこへやら、、。
”がこ!”
思いっきり、僕の靴を蹴られた。
「ひっ」
思わず、声を上げたら、続けざまに、椅子に座ったまま蹴られ、更に、場の体感温度が下がった気がする。
「ソウ様、落ち着いて下さい。品格を保つことも、氷室家の、、」
秘書が声を掛けると
「は?お前さ、何、うちの家の名前言ってんの?盗聴されてたら、洒落にならないっていうの!何か有ったら、死んでもらうから、、」
「はっ、御意。」
さっと、引く秘書さん。
僕と違って、顔色も変えない。
きっと、いつでも代わりに死ねる覚悟があるんだろう。
「ソウ、、もうその辺で止めとけ。テツの秘書が失神しそうになってるぞ。」
こちらも顔色一つ変えないNJ。
HS「はいはい。ジュンには逆らえない。僕の恩人だからね。ふふ、、」
NJはかつて、HSが落選しそうになった時、自分の選挙区を顧みず、応援演説に行って、HSを助け
た事が有るので、NJには一目置いている。
NJはその時、落選したが、比例区で復活当選している。
因みに、HSはこの時、落選していたら、弟に後進を譲る事になっていた。
常に、弟にいつ寝首をかかれるか分からない状況で、性格が破綻してるとも言われているから、怖くて仕方ない。
TH「大丈夫?」
うちの主が僕を気遣って、
TH「あのさ、怪我したら、僕がこいつ連れて帰らないといけないわけ。壊れ物注意なんだけど、、」
気遣ってくれていたわけではないようだ。
HS「はぁ〜?誰にモノ言ってんの?死にたいの?」
ひい〜ヤバい!闇の帝王を怒らせたら、僕が消される。
「だ、大丈夫です。全然、何とも有りません。」
靴、安全靴にしといて正解だった。
へこんでるし、、
HS氏の靴も鉄入ってるんだ、、こわっ!
「チッつまんないの!」
ニヤッと笑うHS氏の笑顔は天使なんだけど、言葉とのギャップに気絶しそうになる。
「ヒッ」
「声、上げないの。死にたくないならね。」
THが真顔で言った。
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作者名:sumiko | 作成日時:2022年7月12日 17時